前回と前々回に続き、今回も「ニュースレターの紙面企画」についてオモシロホンポで制作した事例をもとに解説していきます。
「いい紙面企画が思い浮かばない」「本当にこの企画でいいのか不安」と思ったら、成果を上げている会社のニュースレターを参考にしてみましょう。
実例を見ると、「こんな企画もアリなんだ!」という発見があるはずです。
本記事では、オモシロホンポの代表を務める“かわけん”こと川上 健太郎が、ニュースレターの紙面企画について自社事例を挙げながら解説します。
ニュースレターを軸に広告・広報の制作を通じて、全体の99.7%を占めている中小企業の仕事をオモシロく演出することで日本を元気にすることをミッションとする会社。
これまで、34都道府県の100業種を超えるさまざまな企業のニュースレターを累計1,300号以上手がけてきました。
前回ご紹介した東京都にあるユニフォームの製造・販売会社「東京ユニフォーム」さんと、福井県にある食材宅配サービス会社「ヨシケイ福井」さんの事例もぜひご覧ください。
前々回の事例、埼玉県にある会計事務所「税理士法人クリアー」さん、愛知県の運送会社「名備運輸」さんの事例もあわせてチェックしてみてくださいね!
【事例紹介】各社のニュースレター紙面を覗き見!
今回も2社の事例を紹介します。同じ大きさの紙を使っていても、見た目の雰囲気や紙面内容が大きく違うところに注目してみてください。
5.カズマ
福井県にある「カズマ」さんは、カーテンの企画・製造・販売を行う会社です。
- 読者:過去に購入してくれたお客様
- コンセプト:「カーテンひとつで日々の暮らしがちょっと楽しくなる」をお届けする
カズマさんの「いろどり通信」では、「カーテンを取り替えるだけで、家の雰囲気って変えられるんだよ」というメッセージをどう伝えていこうか?と考えて紙面企画を決めています。
A3の用紙を二つ折りにし、A4横向きで4ページの形式で作っています。
この号では、1ページ目に35%オフのキャンペーン告知を大きく入れました。
タイトルの下にやや大きめの余白がありますが、これは宛名ラベルを貼るためのスペースです。実は封筒に入れて送るより、ニュースレター自体を熱圧着してコンパクトにし、直接ラベルを貼って発送するほうが開封率が高くなるんですよ。
2ページ目には「新しいカーテンに交換して気分を変えよう!」という漫画を入れました。ニュースレターに漫画を入れると、お客様はけっこう読んでくれます。
3ページ目では、漫画で触れたおすすめのカーテンについて詳しく紹介しています。今回は季節の花シリーズの新作。下の方には、カーテンが福井で作られていることも載せています。
右側は、毎回恒例のスタッフによる釣りのコーナーです。カーテンとはまったく関係ありませんが、実は隠れた人気コーナーなんですよ。
この釣りのコーナーにも、実は大事な意味があります。自分たちの仕事とまったく関係のないコーナーを1つか2つくらい入れておかないと、「自社や商品を売り込んでいる感じ」が強くなってしまい、読者に喜んでもらえません。
店長の川畑さんに「プライベートでは何がお好きですか?」と聞いたところ、釣りが好きとのことだったので、「それなら釣りのコーナーを作って、毎回この欄で釣りの話をしましょう!」と提案し、連載しています。
そして4ページ目。上の欄では人気のカーテンをランキング形式で紹介し、「ご来店時にはスタッフにもぜひお気軽にお声がけくださいませ」というコメントも入れました。
下の欄には社長のメッセージと編集後記、Instagramの告知を載せています。
6.DMクラスター
「DMクラスター」さんは、福井県でダイレクトメールの印刷から発送まで請け負っている会社です。
- 読者:取引先・見込み客
- コンセプト:元気と進化をリアルガチで発信する
こちらのニュースレターも、A3を二つ折りにしたサイズで作っています。
創刊号の表紙ではA4サイズを横に使い、集合写真のようにスタッフ写真を大きく載せました。
この号を作った2022年はコロナの影響で集合写真を取りづらかったこともあり、1人ずつ個別に写真を撮って、あとから写真を切り抜いて貼り合わせることで集合写真のように見せています。
集合写真を撮れなくても、この方法でスタッフの写真を載せれば、「あ、こういう人たちが働いてるんだ」と読者に会社の雰囲気を伝えられますよ。
右下に大きく載っているのは、部長の飛田さん。32、3歳の若い部長さんです。
創刊にあたり、「これからこんな気持ちでニュースレターを発行していきます!」という挨拶をしてもらっています。
中面はA3サイズを横に使い、移転した本社の中を一挙に公開。新しくなった社屋の紹介に加え、働いているスタッフのコメント、仕事の流れを掲載しています。A3の大きな紙面を写真やコメントで賑やかにしました。
裏面は東京にある営業部の紹介に使っています。スタッフの皆さんの写真を載せて、その中の何名かをピックアップして細かく紹介。
「受注対応や電話連絡をしているのはこんなスタッフですよ」と知ってもらうことで、営業部のスタッフの仕事がスムーズになるようにという目的があります。
右の欄にはお客様のインタビューを入れました。実際にDMクラスターに印刷を依頼したり、発送代行をお願いしたりしている会社さんの声を載せています。
「読者」と「コンセプト」で誌面企画を決める
今回ご紹介した2つの事例では、紙面企画も全体の雰囲気もまったく違うものになっていましたね。
「読者」と「コンセプト」次第で、ニュースレターの紙面企画は大きく変わります。
「紙面企画のネタが浮かばない!」と悩んだら、まずはニュースレターの「読者」と「コンセプト」を再確認しましょう。
「誰にどんなことを伝えたいのか」を思い出せば、「こういう企画をやれば喜んでくれそう」「うちの会社のこういうところをもっと知ってほしいな」と企画のアイデアも浮かんでくるはずです。
今回紹介した、漫画を入れる、集合写真風に加工した写真を入れるといった工夫があると、ニュースレターはもっと彩り豊かに見えます。試してみてくださいね。
今まで3回にわけて解説してきたニュースレターの事例シリーズは次回がラストです。プラスアルファで役立つ情報もお届けしますので、お楽しみに!